定期的な健康診断をしましょう！

１２月に入り、ますます冷え込んできました。

もう少しで新しい年を迎えると思うと、あっという間の１年でしたね。

皆さんはこの１年いかがでしたでしょうか？

大切な家族とまた健康に新たな年を迎えるためにも、今回は健康診断のお話をしようと思います。

 

主に当院で簡易的にできる検査としては身体検査、便検査、尿検査、血液検査、レントゲン検査、超音波検査、心電図検査、血圧測定があります。

◉身体検査

視診　目、耳、歯などの確認

触診　関節や骨、体表のできもの、腹部臓器の異常などの確認

聴診　心臓、肺、腹部の音に異常がないかの確認

 

◉便検査

採便棒という細い棒で便を採取し、顕微鏡で寄生虫がいないか確認

寄生虫の卵があれば、注射や錠剤などで駆虫して治療します。

未消化物の有無や脂肪分の有無なども見ることができます。

 

◉尿検査

泌尿器疾患(腎臓、膀胱の疾患)の検査

初期の腎不全、腎臓そのものの病気を知ることができます。

飼い主さん持参の尿や当院で採尿したものを検査します。

試験紙や顕微鏡による尿沈渣、比重の検査を行い、主に炎症、感染、尿の濃さ、糖尿などを確認します。

尿中タンパク/クレアチニン比の検査では腎臓機能の働きを確認できます。

小さな結晶(膀胱結石の元)が見つかった場合、膀胱内の洗浄の処置やフードのサンプルをお渡しします。

それにより、結石になるのを遅らせる事ができます。

目ではなかなか確認できないサイズなので、結石ができる予防もかねて早めの検査をおすすめします。

 

◉血液検査

０.５ml〜２ml弱採血をします。

ほとんどの検査項目の結果は当日お知らせできます。

 

血球検査

赤血球・白血球・血小板の数値測定と形体観察により、貧血・脱水・感染・炎症・止血機能の確認

 

生化学検査

肝臓・腎臓などの障害、栄養状態の確認、代謝に問題がないかの確認をします。

 

ホルモン検査

甲状腺ホルモンが関わる「甲状腺機能亢進症」「甲状腺機能低下症」の検査が可能です。

高齢になってくると甲状腺ホルモンに乱れが出てきます。高齢のわんちゃん、猫ちゃんは１度検査してみる事をおすすめします。

また、電解質や糖の代謝に関わる副腎皮質ホルモンの検査もあり、分泌が亢進するとクッシング症候群、低下するとアジソン病を発症します。(主にわんちゃんに多く、猫ちゃんではごく稀な病気です)

水をよく飲む、お腹が膨らんでいる、体重が急に減ってきた。などの症状がみられた場合は、検査結果に２時間弱かかりますが検査を考えてみても良いかもしれません。

 

血液ガス

血液中の酸素・二酸化炭素の濃度やpH、イオンなどを測定します。

「肺がいかによく動いているか」という肺機能の包括的指標となります。

重度の肺炎や肺水腫などの呼吸器疾患および腎不全やケトアシドーシスなどの代謝性疾患を疑う急患の子に主に検査します。

 

◉レントゲン検査

胸部や腹部の臓器を映し出すことで身体検査や血液検査では分かりにくい異常を見つけ出します。

特に骨や関節の異常を調べるには有効であり、さらに大きさの比較も容易なため心臓拡大なども発見しやすい検査です。

 

◉超音波検査

レントゲン検査でははっきりと見えない臓器の内部構造を知ることができます。心臓や腹部の各臓器の異常や疾患の発見に繋がります。

 

◉心電図検査

心臓が鼓動を打つ際の微弱な電気信号を波形として記録し、その波形から心臓の状態を把握する検査です。

わんちゃん・猫ちゃんの場合、横になってもらい両脇と内股にクリップのような物をはさみ、測定します。

聴診器で心音に雑音が確認できた場合に心臓の検査をおすすめしております。

高齢の子や最近疲れやすくなった、活動量が減ってきている子は心臓の検査をしてみると良いかもしれません。

 

◉血圧測定

当院では、わんちゃんや猫ちゃんの場合は尾に小さい測定器を人のように巻きつけて測定します。

低血圧を示す場合は、全身状態が悪く、命に関わる可能性があり、また高血圧を示す場合は、失明の危険性や他の臓器へのダメージの危険性があります。

 

 

上記の検査は当日できる事なので、気になる事や心配な事があればお電話や診察に来られた際にお伝えください。

定期的に検査をする事で体調の変化に気づく事ができ、病気の早期発見・早期治療につながります。

また、突然、具合が悪くなった時にも、健康時の検査結果と比べる事で判断しやすく、適切な処置を行ったり、投薬する事もできます。

高齢になり、病気になってから病院へ通院するようになると、わんちゃん・猫ちゃんが病院を怖がって負担となる恐れがあります。

小さいうちから予防接種はもちろん、定期的に健康診断を受けることで病院に慣れておくと良いです。

１歳を超えたら年１回、高齢になったら年２回以上の定期健診をオススメします。

 

当院では毎年、わんちゃん・猫ちゃんに限りますが２月以降に健康診断キャンペーンを行っております。

詳細が決まりましたらお知らせいたしますのでぜひご利用ください。

(おハガキでのご案内を今後いたしませんので、ブログやLINE、待合室のテレビやチラシでのご確認をお願いいたします。)