尿管閉塞
- by すざき動物病院
尿管閉塞により尿毒症や敗血症などの症状がみられる場合、できる限り早期に閉塞を解除する必要があります。
閉塞解除の治療法として、尿管切開や尿管転植、尿管ステント法などがあります。また、尿管とは別に腎臓ー膀胱バイパスを設置する Subcutaneous Ureteral Bypass (SUB) system という方法がアメリカでは導入されています。
特に尿管結石は手術で尿管内の結石を除去しても腎臓からすぐに他の結石が流出して再閉塞を起こす事があります。SUB-systemはport部から洗浄を行う事が可能なため結石による尿管の再閉塞のリスクを軽減するという利点があります。
尿管閉塞 SUB手術
ミニチュア・シュナウザー 7歳齢
昨日から元気食欲がなく、嘔吐するとの事で来院されました。
発熱があり、血液検査では著しい白血球数増加とCRP上昇(炎症反応)がみられました。超音波検査で結石による尿管閉塞および水腎症を認めました。
感染に対する治療およびSUB-systemを用いた手術を行いました。
手術時には腎盂から大量の膿を吸引、洗浄しました。術後は感染も治まり順調に回復しました。
尿管閉塞 SUB手術
日本猫 9歳齢
2日前から食欲がなく、嘔吐するとの事で来院されました。
血液検査で腎機能の著しい低下がみられました。超音波検査では尿管閉塞および水腎症を認めたため、SUBを用いた手術を行いました。
術後は腎機能は正常値を示し、全身状態も良好です。
尿管閉塞 尿管切開術 外科用顕微鏡下での手術
雑種猫 8歳齢
摘出した結石
尿管閉塞 尿管切開術 外科用顕微鏡下での手術
雑種猫 9歳齢