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CASES

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症

【症状】

甲状腺機能低下症による症状は様々ですが、典型的な症状として①活動性低下、嗜眠、②無気力、③体重増加、④低体温、寒冷不耐性 など代謝低下に伴うものが多くみられます。また、皮膚症状も多く⑤左右対称性の脱毛、尾の脱毛(ラットテイル)、⑥被毛の光沢消失、⑦角化亢進や色素沈着、⑧外耳炎や膿皮症などの感染症 などがみられることがあります。

その他に徐脈、歩様異常、高コレステロール血症、高脂血症、非再生性貧血、肝酵素の上昇、胆嚢粘液嚢腫などがみられます。まれに末梢神経麻痺などがみられる場合もあります。

【診断】

血中の甲状腺ホルモン濃度を測定し、低値であれば甲状腺機能低下症を疑います。しかし、甲状腺ホルモンは甲状腺機能低下症以外の原因でも低下している場合があり、これをeuthyroid sick syndromeといいます。したがって、特徴的な臨床徴候、基礎疾患の有無、投薬中の薬剤の有無を十分検討した上で診断する必要があります。

【治療】

甲状腺ホルモン製剤を内服し、不足しているホルモンを補充します。ホルモン濃度が基準値となるよう、定期的に検査しながら投与量を調節します。甲状腺腫瘍の場合は、内服と同時に腫瘍の治療を検討します。