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根尖部膿瘍

根尖部膿瘍

多くは外傷などで 歯が折れたり(破折)、歯同士や硬いものと歯がこすれることによる磨耗(咬耗)により、歯髄が露出します。この歯髄へ細菌の感染が起こり、根尖部に膿瘍が 形成されます。また、血液を介して細菌が広がるため、歯髄の露出がなくても、歯石沈着などの歯周病の悪化により膿瘍ができる場合もあります。

歯根の炎症ですから進行するまで気付かないこともありますが、「硬い食べ物を嫌がる」、「顔を傾けて片方の顎で飲む」、あるいは「片方の顎で噛もうとす る」、「食欲の低下」、「顔がふくらむ」などの症状により気付くことがあります。重度になると炎症が骨を溶かし、たまった膿が皮膚を突き破って、眼下や鼻 などに穴を開け、排膿することもあります。また、口腔内と鼻腔が貫通してしまうと、くしゃみや鼻汁、鼻出血などの症状がみられます。

一般的には該当する歯の抜歯、あるいは感染した歯髄を除去した後、薬剤の充填を行い、感染部位の洗浄を行います。また状況にあわせて抗生物質や消炎剤の内服などの投与を行います。

実際の症例

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重度の歯石の沈着と眼の下部の腫れで来院しました。歯石除去前にCT検査を実施しました。歯根部の骨吸収像が多数認められ、その部分すべての抜歯と口腔粘膜フラップにより歯根欠損部を閉鎖しました。

現在は口臭もなくなり、眼の下の腫れもなくなりました。

破折を防ぐために、硬いオモチャやおやつを与えないようにしましょう。また日常的なオーラルケアが効果的です。

中高齢になると歯石が蓄積しやすくなるので、必要に応じて歯石の除去などを行いましょう。