loading...
CASES

椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニア

背中を痛がったり、歩行が困難、または完全に麻痺してしまった場合には椎間板ヘルニアを疑います。ミニチュアダックスフンド、ビーグルなどによく見られます。重症度分類で軽症であれば、内科的な治療で改善する可能性もありますが、重症であったり、内科治療に反応しない場合は早期の手術をお勧めします。

椎間板ヘルニアは変性した椎間板が脊柱管内に突出して様々な脊髄障害を引き起こす病気です。腰部を痛がるだけの症状や完全に後ろ足が麻痺し排尿も出来ないような重度な症状まで様々です。

椎間板ヘルニアには以下の2タイプが存在します。

ハンセンⅠ型
椎間板の髄核が脊柱管内に突出して急性の脊髄障害を引き起こすタイプです。
一般的に急速の神経障害が起こるとされています。ミニチュアダックスフンドやビーグルまたはその他の犬種で見られる事が多いタイプです。

ハンセンⅡ型
椎間板の線維輪が脊柱管内に突出するタイプです。はじめは痛みだけの症状から徐々に進行し慢性的な神経障害を引き起こします。一般的には老齢の大型犬やその他の犬種でも見られます。

 

ミニチュアダックス 11歳

1週間前から後肢麻痺があるとの事で来院されました。
脊髄造影検査とCT検査から脊髄圧迫病変が認められたため手術を行いました。片側椎弓切除術を行うと大量の椎間板物質が採取され、脊髄圧迫はなくなりました。約1週間で歩行が可能になりました。

ミニチュアダックス 9歳
過去に何度か腰部痛や軽度の後駆不全麻痺を起こしては改善を繰り返していました。10日前より麻痺が悪化傾向で歩行ができなくなったため脊髄造影検査を実施し脊髄圧迫病変を認めたため片側椎弓切除術で脊柱管にアプローチしました。脊髄圧迫病変は固く採取が困難であったため、線維輪をメスで切開し可能な限り除去しました。また、背側方向へ造窓を拡大し脊髄の圧迫を解除しました。術後約3週間後より徐々に改善が見られ、現在では通常の生活が可能になりました。

 

ミニチュアダックス 10歳齢

両側後肢麻痺があるとのことで他の動物病院から紹介されて来院されました。
CT検査、MR検査を実施し椎間板ヘルニアと診断し、手術用顕微鏡下にて手術を実施しました。術中の顕微鏡からの写真です。術後1週間で歩行が可能になりました。