甲状腺機能亢進症
- by すざき動物病院
【症状】
甲状腺機能亢進症では、①体重減少、②多食、③食欲不振、④脱毛、⑤多飲多尿、⑥嘔吐・下痢、⑦活動亢進・攻撃性の増加、⑧元気消失、⑨呼吸促迫 など様々な症状が認められます。
病院では皮膚の脱水、甲状腺腫大、頻脈、心雑音、パンティングなどが認められる場合があります。
【診断】
血中の甲状腺ホルモン濃度を測定し、ホルモン濃度の上昇を確認します。臨床症状や身体検査、一般血液検査などで甲状腺機能亢進症を疑う場合にこの検査を実施します。
【治療】
内科的、外科的な治療法があります。病態や年齢、内服の容易さなどを考慮し治療法を選択します。
①内科療法
抗甲状腺薬を内服し、過剰な甲状腺ホルモン産生を抑制します。内服は継続が必要ですが、可逆的な治療法であるため副作用や腎不全が顕在化した場合には容易に中止することができます。甲状腺ホルモンが基準値となるよう、定期的に検査をしながら投与量を調節します。
また甲状腺機能亢進症では高血圧になるため、状態により血圧降下剤などの併用を考慮します。
②外科手術
甲状腺の摘出術を行います。甲状腺癌や甲状腺腫大が明らかな場合や、内服が困難な場合などに選択します。不可逆的な治療法であるため、術前に十分な検討が必要です。