門脈体循環シャント
- by すざき動物病院
マルチーズ メス 1歳
食後によくふらつく、痙攣のような症状があった、との事で来院しました。
血液検査では高アンモニア血症と総胆汁酸値の上昇が見られました。
レントゲン検査では肝臓陰影の縮小化が見られました。
他の検査も含めて門脈体循環シャントを疑い、門脈造影検査と肝生検を行いました。
造影検査では門脈より後大静脈への短絡血管が見られ、そのまま短絡血管の結紮を行いました。
現在では体重も増加、高アンモニア血症の症状と思われる痙攣などの症状もなくなり元気に生活しています。
Pre DSA
腸間膜静脈から門脈造影を実施しました。造影剤は肝臓に流入せず、直接後大静脈に流入しています。
門脈ー後大静脈短絡症と診断しました。
Post DSA
短絡血管を露出し、仮遮断後に再度門脈造影を行なっています。造影剤は直接後大静脈に流入せず、肝内門脈に流入しています。門脈圧を測定し、短絡血管を結紮していきます。
この症例では100%遮断後の門脈圧の上昇は軽度であったため、完全結紮を実施し、完治した例です。
門脈圧の上昇の程度によっては、部分遮断しかできない例もありますので、門脈圧の測定は非常に重要な検査となります。