Laser treatment
レーザー治療
レーザーとは、非常に高いエネルギーをもった人工の光です。レーザー治療とは、この光を利用した様々な治療に役立つ最新の治療法です 。
当院では切開、止血、蒸散、疼痛緩和、抗腫瘍に関する効果などの特性があり、様々な用途に使用できる半導体レーザーを使用しております。
Features of the semiconductor laser
半導体レーザーの特徴
レーザーサーミア
レーザーを用いて温熱療法(ハイパーサーミア)を行うことです。熱に対して正常細胞は44℃から生存率が下がります。一方、腫瘍細胞では42℃から生存率が低下します。このことから、患部を42~44℃に保つことにより、正常細胞には影響を与えずに腫瘍細胞を破壊することができます。侵襲性がほとんどないので、全身麻酔や手術が困難な症例に適応できます。腫瘍を体内から完全に除去することはできませんが、腫瘍の大きさを縮小することにより、延命やQOL(生活の質)の向上が期待できます。
ロータリーハンドピース法
体外からレーザーを照射する方法です。半導体レーザーは浸透性が高いので体内にまでレーザーが届きます。表面温度が熱くなりすぎないようにグラスファイバーを回転させ照射します。腫瘍の発生部位によりますが、通常は無麻酔で実施可能です。腹腔内、胸腔内、体表など様々な部位に適応できます。
広拡散プローブ法
腫瘤に針を刺して、中心部からレーザーを照射する方法です。部位によりますが、体表の腫瘤であれば局所麻酔で実施可能です。胸腔内や腹腔内の腫瘤の手術において切除が困難であると判断した際に、切除以外のもう一つの治療として行うことができます。
光線化学療法
抗がん剤の中には温度が高い環境で活性が高くなるものがあります。そういった抗がん剤を腫瘤に直接注射して、レーザーサーミアを行う方法です。また、レーザーを照射すると熱を生じる特殊な色素も同時に注入することで、より効果が得やすくなります。
蒸散
80~100℃以上の高温領域で温熱療法をおこなうことです。イボや体表上の小さな腫瘤に対して行います。動物の性格や発生部位によりますが、無麻酔でも実施可能です。
色素を用いた治療
肝機能検査薬であるインドシアニングリーンはレーザーを照射すると発熱します。この試薬を患部に塗布・注入することにより、試薬がある部分だけを凝固・蒸散することができます。また、口腔内の腫瘍のように、十分なマージンを確保できないケースでも、切除面に塗布してレーザーを照射することによりできるだけ腫瘍を残さないようにすることができます。